雪代を澄ます
雪を資源として活用した新しい河川空間
本来、雪国において山に降った雪は地面を潤し時間をかけてゆっくりと濾過しながら川へと還されます。(fig.1)しかし、そこに人の生活が介入したことで山と川は分断され、大量の雪が一気に捨てられるようになりました。土砂を含んだ雪の廃棄や除雪材散布による水質悪化は深刻で、日本の除雪は大きな問題を抱えています。(fig.2)そこで、濾過のプロセスのなかに人の場を挿入するような、雪の恩恵を受けながら暮らすマスタープランを設計したいと考えました。(fig.3)
敷地は秋田市 仁井田地区 雄物川周辺。主に住宅街と畑、それに町全体に張り巡らされた水路によって構成されています。
この広大な敷地に張り巡らされた水路に沿うように、雪捨て場と人の居場所を混在させたランドスケープをsiteの特徴に応じて4箇所、ケーススタディ的に設計しました。
site A 大根ランドスケープ
雪捨て場と大根畑を同居させることで、不要とされていた雪を大根の育成に利用します。
site B クリークの住宅街
市の補助金を使いながら、クリークに面する住宅街の空き家を減築することで、地方に移住するノマドワーカー宅へと改修します。
site C 生物濾過の調整池
抽水植物と微生物による生物濾過を行い、水中の環境を整えます。
site D 川辺の景観開花
各河川空間で濾過された綺麗な雪解け水はこの場に集められ、雄物川へと還されます。
研究室グループ設計
0コメント