エレメントが動く時
廃線を活用したインフラストラクチャが作る新たな住まい方
敷地は東京都北区の廃線路。2014年以降放置され、4kmほどの連続した空き地になっています。そこで失われた流れを取り戻すことで、まちの中に新しいつながりを持った住まいを計画できないか、と考えました。
計画敷地を含めた昨今の住宅は、外とのつながりを強く断ち切る作りになっています。また、その集合体がまちであり、他者やインフラから独立した状態になっています。
そこで-動くエレメント-と呼ばれる「モノのように共有され、移動する」エレメントが線状のまちを通り抜ける構成を作ることで、新しい循環とつながりをつくろうと考えました。
動くエレメントには、屋根やカーテンなどの場を変える力を持つものの他に、商品ラックやブランコなどといったプログラムを併せ持つものも計画しました。
そうする事で、廃線上をエレメントが動くと同時にプログラムがまちの中をスライドしていき、時間によって空間だけでなく外との関係が変化します。
動くエレメントによって生まれる偶発的な空間やふるまいが、これまで分断されてきた外と住まいをつなぎ、外との新しいつながりを持った住まいを実現するのではないかと考えました。
共同設計者
渡邊康介
中村美月
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