痕跡の行方
生を具現化した風景がつくる死と人の新しい距離感
常盤平団地。
敷地は高度経済成長期に建てられたこの巨大団地の一区画。現在、ここは孤独死の現場化が進み、団地の排他的な特性が強さを増しています。
実際に敷地に入ってみると、建設時に植えられた木々が育ち、森のような空間になっていたり、当時整備された道が草木に飲み込まれている様子が見られたりと、廃墟的な雰囲気を帯びていました。そして、それらのふるまいを私は美しいと感じました。
そこで目指したのは「人の痕跡」から構築物をピュアに立ち上げた、気配を帯びたランドスケープと建築。
場に残された痕跡や地形に対して敬意を払いながら、形状を模索し、結果的に公園の様な空間を持つ、屋根と柱だけの建築にたどり着きました。
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